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もの忘れと一言に言っても、それがいつから起こっているのか、時々起こるのか、もともと沢山のお薬を服薬していないか、最近頭を打っていないか、会話は通じるのか、手足の動きに変わりはないか。
このように、詳細な問診を行うだけで、そのもの忘れが認知症によるものなのか、他の脳の病気なのか判る事は良くあります。
一見、元気がないだけと思われていても、意識障害があったり、時には明らかな麻痺を来している事もあります。
長谷川式認知機能検査(HDS-R)やMMSEなどの検査で評価します。
正常脳
アルツハイマー型認知症
以前は亡くなった患者さんの脳を解剖しないと脳の状態は把握できませんでした。
MRIの出現によりこのように生きている間に全く痛みもなく、脳の萎縮の状態がわかるようになりました
(←が海馬という記憶の中枢です)
しかし、萎縮の程度が客観的に判断出来れば、脳の萎縮が年齢によるものか、病気によるものかが判断出来るようになり、認知症の診断に大いに役に立ちます。
そこで登場したのが、VSRADというシステムです。高性能のMRIでのみ測定可能であり、これにより脳の萎縮を客観的に測定出来るようになりました。
当院では高性能(高磁場:1.5T)によるMRIにより脳の萎縮や血管の狭窄などの詳細な状態の把握とともに、人間の記憶の中枢である海馬の大きさを測定しその萎縮の程度からアルツハイマー型認知症の診断に役立てます。
(VSRAD)
一見、認知症と同じようなもの忘れの症状があっても、それが、甲状腺というホルモンを分泌する臓器の病気によるものだったり、ビタミンや時には骨粗鬆症の治療目的でカルシウムをお薬でも摂っていてカルシウムが多すぎてもの忘れが出現する事もあります。
これらのもの忘れは、その原因を治療すれば治るもの忘れです。
もの忘れ外来では、まず、このように認知症ではない治療すれば治る病気を早期に的確に判断し治療することが重要なのです。
認知症の原因にはこれらの疾患があります。それぞれの病気により症状(もの忘れだけではなく、幻覚、妄想など精神症状もよくみられます)もさまざまです。症状に合った薬と今後の症状の進行を抑えたり、改善するためのお薬の使用、介護保険を有効利用した資源を活用した治療をめざします。
認知症は治らないというのが、これまでの通説でした。
しかし、頭を積極的に使う事で、海馬の神経細胞が再生される事が判ってきました。
症状による的確なお薬の使用とともに、積極的に認知症の進行の抑制、改善に努めます。