2014.12.01
脳震盪とは頭部外傷の分類のなかで、びまん性脳損傷のなかで一番軽傷の状態に位置する状態です。
しかし、昨今の学校での柔道練習中での死亡や先日のスケートの羽生の事故など一見軽度の頭部打撲だけのように見えて広範な脳のダメージを来している可能性のある怖い状態なのです。
今回、日本脳神経外科学会と日本脳神経外傷学会から「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」
というのが公表されました。みなさんも注意しておくべき内容ですので、載せておきます。
注意する5項目
(1)スポーツによる脳震盪は、意識障害や健忘がなく、頭痛や気分不良などだけのこともある
(2)スポーツによる脳震盪の症状は、短時間で消失することが多いが、数週間以上継続することもある
(3)スポーツによる脳震盪は、そのまま競技・練習を続けると、これを何度も繰り返し、急激な脳腫脹や急性硬膜下血腫など、
致命的な脳損傷を起こすことがある
(4)そのため、スポーツによる脳震盪を起こしたら、原則として、ただちに競技・練習への参加を停止し、競技・練習への復帰
は、脳震盪の症状が完全に消失してから徐々に行う
(5)脳損傷や硬膜下血腫が生じたときには、原則としてコンタクト・スポーツへの競技・練習に復帰すべきではない。
ただし(5)「医師は患者ならびに関係者の行動を規制することはできない」との考えから、医学的には復帰すべきではないものの、最終的にはプロスポーツ選手などの復帰については、その競技団体や個人の判断になるというスタンスだという。
頭を打った後に気分不良があれば、まず、専門医療機関を受診することが大切です。