2014.12.09
前回の続きで脳に外傷を来してしまった場合の競技への復帰についてです。
「器質的脳損傷を有する事例の競技復帰」
すでに器質的脳損傷が発見された場合や硬膜下血腫が発生した場合には、たとえ症状が消失し、画像上でも病変が消失したと考えられる場合でも頭の頻繁な打撃や回転を伴うコンタクトスポーツ(特にボクシングや空手、柔道、相撲、ラグビー、アメリカンフットボール、サッカー、アイスホッケー、スノーボードなど)への競技復帰は原則として許可すべきではない。
ただし、小さい脳出血や脳挫傷、あるいはくも膜のう胞などの器質的頭蓋内病変、開頭手術などではどうするか、コンタクトスポーツに参加可能か、どのようなスポーツなら参加か可能かなどに関しては、現時点では明確な指針はない。
柔道事故のほとんどが若年初心者である事を考えると競技への復帰の判断には我々もかなり慎重でないといけないと思われます。
(Jpn J Neurosurg vol 23, No 12 2014.12 より)